某所で『大根おろしは心の満たされている人がおろすと辛くない』という話題になっていたので、昔とった杵柄をひとつ。
大根の辛みの成分を
イソチオシアネート類といい、中でもトランスジメチルチオ-3-ブチニルイソチオシアネート(長)が、全イソチオシアネート量の九割を占めております。
この成分は、おろすなどして細胞組織が破壊されることで辛みを生じます。
要するに、大根おろしを辛くしない為には、組織を破壊させずにおろせばいいわけですが。
そんなんムリですね。
ということで、『できるだけ』破壊させないようにしておろせばいいと、つまり、水平にしてゆっくりとおろせば、イソチオシアネートの滲出を防ぐことができる、ということになります。
このイソチオシアネートですが、大根の上部には少なく、下部になるほど強くなり、また、時間の経過と共に揮発してしまい、著しく減少するという特性を持ちます。
まとめてみると。
鍋支度の一番最初に、大根の上部を材料に用いてゆっくりと水平におろす
のが、辛くない大根おろしの最も好ましい作り方だと、言えるのではないかと思います。
ちなみにイソチオシアネートは抑ガン性に始まる種々の健康増進効果をもつ為、大根おろしは辛ければ辛いほどその効果を期待できるのですが、とはいえ…
辛すぎる大根おろしなんて、あんまり食べたくないですね…。