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いよいよという気配を感じた瞬間、河童は視界を瞼の内側に引っ張り込んだ。 恥じらいからだった。 そして、経験はないなりに、そうすることで少しでも楽に済むのではないかと踏んだのだ。 結果から言えばそれは正しく、同時に間違っていた。 普通であれば確かに、目を閉じてただ身体を任せているだけでよかっただろう、だが河童の相手は普通ではなかった。 いとしい者に合わせて矮小化しているとはいえ、元は下界最大の神、デイダラボッチである。 そのことを失念してしまっていたことこそが、河童の最大の過ちといえた。 「――え…っ」 精神がにわかにざわつき出す。 羞恥心に閉じた瞼が確認の為に開こうとし、それを押さえようと今度は理性が起き上がる。 騒ぎ出した感覚からせめて焦りを、恐れを、除こうとしても、その衝撃はたしかな言葉となって脳裡から襲いかかる。 ―長い。 とてつもなく。 痛みに酷似した未知の感覚に震え、奥歯を噛み締めながら、あたたかな肩に抱きつくことで河童は必死で堪えた。 救いはデイダラボッチの肉質にあった。 一歩間違えれば凶器ともなりえる重量感でありながら、それは今の今まで自分の一物しか知らなかった河童からしてみれば、信じられないほどの柔軟性を持ち合わせていた。 先端だけではない。その後に続く肉茎も、上等の餡のようにしなやかで肌理も細かく、その柔らかさをもって絡みつくように、襞のひとつひとつを形取りでもするかのように、じっくりと内部を舐めてくる。 それでいて明らかな芯は緩慢に奥を責め立てては情欲を甘く疼かせ、次第に腰の動きを誘い出す。 不意に弱いところを押されて、たまらずに河童は片脚をひくりと引き寄せた。 その隙間を逃さず、デイダラボッチが一層腰を押し付けてくる。 「っ……ん…ぁあ……」 微かな声が鼻を通して、また、呼吸を求めて開いた唇からどうしようもなく漏れ出していく。 それを心の底から恥ずかしいと思いながら、どうすることもできなかった。 この長物に貫かれる悶えの中に、えもいわれぬ快感を見出だしてしまったからには、もう。