気付けばハルヒも終わり、庭の金木犀が『早よ花を蜜漬けにしてくれな』とボヤキ始めた昨今ですこんばんは
前回は『このジョイトイを貼ったのは誰だあっ』までお話ししていましたね
ではその続きを
さて悪いことというのは何故だか続くもので、どうしようもない倦怠感と吐き気、動揺感に動悸息切れ、顔や体のこわばりといった不定愁訴を抱えてミルクティのような(友人談)顔色で仕事をしていた、ある日の終業間際
昼間までのんきなメールを送ってきていた長兄から、着信が入りました
私が通話というものを好まないことを知っているので緊急時以外では、つまり滅多に、かけてこないそれを恐る恐る許可すると
「目薬点しに来てくれへん?」←昔っから先端恐怖症
「へ?いやまあええけど、どないしたん」
「今日仕事中に目にメタノールぶちまけて…」
メターーーー?!!!!
『蟻酸』『アシドーシス』『失明』
不穏当な単語が脳裏をよぎり、ミルクティはいよいよ土気色に
「もう少しで上がりやから」と電話をブチ切って大急ぎで店を閉めて買い物をし、マンションに馳せ参じるとそこには
薄暗い部屋でバスタオルを顔に押し当てて呻いている長兄の姿が
のたうち回っている傍に寄ると、「忙しいのにごめん」と枯れたような声
タオルの隙間から見えるのは赤く腫れ、痛々しくむくんだ皮膚
「病院には行ったん?」
「同僚に連れてってもらった」
「痛むやろ、すぐ点眼しよか?」
「もうちょっと待って…」
「食べたいものとか」
「腹は減っとんのやけど…何食べたらええんかな」
「ちょっと待っとり」
勝手のよく知らない台所で湯を沸かし、ほんのり甘いコーヒーを入れ、カレーと白飯をあたため、パニックで冷え切った体に按摩を施してやったり目薬も点してやり数時間
ぽつぽつと米国旧現政権や中東情勢の話をしたりもしながら(ミリオタ)過ごしていると、何も知らされていない兄嫁が残業を終えて帰ってきたので
事態の説明をし、まだのみこみきれず呆然としている彼女の肩をぽんと慰めて帰宅したのでした
あれから1ヵ月半
長兄はおかげさまで視力も回復し、
今は二人で漢方医にかかり「体が弱りきっているね」ということで養生する日々を送っております
少しずつではありますが気力がわき、こうしてPCの前に座ろうかという気分にもなってきた今日この頃
もう少しこの体に、時間をいただけると幸いです…